愛するひとに呪いをかけるな ーバッチフラワー・レッドチェストナット

大切な相手のことが心配なとき、あなたはどうするだろう。
相手が辛そうなとき。苦しみのさなかにいるとき、ものごとを思うようにコントロールできずにいるとき。

この人はどうなってしまうのだろう、と心配で気にかけずにはいられない。
相手の様子をうかがってはどんな言葉をかけようか、何をしてあげれば助けになるだろうかと思い悩む。

そして気がつくのだ。苦しんでいる相手のウズに巻き込まれてしまい、一緒に振り回されている自分自身に。

ある家庭の話をする。
夫の仕事が一時期極端に忙しくなった。平日に一日、休みを取ろうとしたために。
彼は在宅勤務中だが、別に仕事量が減るわけではない。むしろ通勤に使う時間もまた、仕事に使えてしまう状況なのだ。

期日の迫っているタイミングでもあり、飛び交うメールの量、ミーティングの回数も増えていく。疲労のためか、彼の口数は減っていく。仕事に使っている部屋から出てくることが少なくなり、数日間は全く笑った顔を見せなくなった。

彼の妻は心配していた。仕事が忙しく、疲れた様子を見ることは今までもあったけれど、さすがにちょっと度を越えている。声をかけてもまともな返事が返ってくることはなく、会話も成り立たないので、何をしてあげたらいいのかもわからない。
できることといえば、栄養ある食事を用意することくらいだろうか。
彼の好物や、野菜を多めに取り入れたりと彼女はできる限りの工夫を続けていた。

いよいよ期日の近づいたある日、彼は、自分の分の食事の用意はしなくていい、と言った。胃腸の調子が悪く、食べる気がしないのだという。

それを聞いた妻は驚いた。
こんなに仕事がハードな時期なのに、まともに食事も取らないなんて、倒れてしまうんじゃないの?本当に大丈夫なの?そして心配のあまり、彼女もまた食欲が失せてしまい、ふたり分用意していた夕食はほとんど手をつけられず。鏡を見ると自分もまた顔色がすぐれず、ここ数日体重も落ちていることに気がついた。

 

これは、以前にあった我が家のエピソードを少々脚色したものだ。
過去にあったことを書き起こしていくと、第三者的な突っ込みも入れられるようになる。
ここで妻(当時の私)に入れたい突っ込みは、
<心配のしすぎは相手に呪いをかけるのと同じことだからやめろ> である。

相手になにか悪いことが起こるんじゃないだろうか。家族や身内といった大切な存在に対して、そう心配になることは多くあるだろう。特に相手が子どもだったり、高齢だったり、何らかの理由で弱っている状況ならなおさらだ。

大切に思う相手を心配するのはある意味当然のことだ。
ただ、過剰な心配や気にかけすぎることは、たとえ口に出さずにいたとしても
なぜか相手には伝わることが多い。それも、重たいエネルギーやプレッシャーとして。
そして、結果として相手を「悪いこと」に近づけてしまうことにもなったりする。
現にあのとき、夫婦そろって体調はすぐれず、我が家の空気はずっしりと重かった。仕事がすいすい進むような状況だったとは思えない。

「この人(子)に何か悪いことが起こるんじゃないのか」
これは、悪く言えば相手を信じきれていないから出てくる想い、ともいえるかもしれない。
相手がその「悪いこと」を克服できず、飲み込まれるところしか想像できなくなっているのだから。
それは呪いをかけているのと大差ないのではないか。

レッドチェストナット

レッドチェストナットは自分以外の他者に悪いことが起こるのではないかと心配で仕方ないときに使うエッセンスだ。
育児中のお母さんや、誰かをケアする必要のある人にはとくに役立ってくれる。
相手に対する過剰な心配を和らげ、前向きなもののとらえ方ができるようになる。

ちなみに上の状況のとき、どう考えても厳しいと思われた期日を夫は守り切った。
もしかすると、厳しい、と彼を信じ切れていなかったのは私だったのかもしれない。
レッドチェストナット、もう少し早く飲み始めていればよかったのかもしれないな、と思う。

相手が辛そうなとき、苦しみのさなかにいるとき。
実際にしてあげられることなんて、ほとんどないのかもしれない。

もしできることがあるとしたら。
うず巻く感情には巻き込まれず、冷静に<相手が>乗り切れる力を持ってるはず、と信じてあげること。
そして<こちら側>から相手をあたたかく見守ることくらいなのだろうな。

 

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