大草原の小さな家を見て考えたこと②~祈りの作法と叡智

午前の再放送しか見るタイミングが合わないので、シーズン1~4を繰り返し
見ている「大草原の小さな家」。その昔、夏休みになると毎年同じエピソードを見ていた
(しかも完結する前に休みが終わる)「タッチ」のような存在になりつつある気がしている。

繰り返し見たエピソードの中でも、特にお気に入りの一話がある。
シーズン1-14話<ローラの祈り>。
何というか、ものすごく<祈ること>についての示唆に富んだエピソードなのだ。

祈り

インガルス家の母さんが妊娠し、三姉妹の弟が生まれる。
男の子が欲しかった父さんは大喜び。次女のローラは父さんを弟に取られたようで面白くなく、
生まれて数か月の弟の具合が良くなくても、回復を素直に神さまに祈れなかった。

弟は病気であっという間に死んでしまう。
ローラは自分が回復をお祈りしなかったから弟は死んでしまった、と思い込み、
牧師に、神さまは何でもできるの?と尋ねる。
「確実なことはないけれど、神さまに近ければ近いほど願いは届きやすくなるはずだ」
という言葉を聞き、ローラは神さまにお願いをしに行くことを決意する。

ー以下、物語の一部を含みますー

 

祈りの条件その1<神さまの近くへ行く>
牧師の言葉を信じ、ローラは神さまの近くへ行こうとする。
神さまは天にいる。だから近づくには、山を登っていくことだ。
たった一人で岩にもしがみつき、ひたすら山を登り続けるローラ。

祈りの条件その2<捧げものをする>
ローラの願いごとは、父さんに欲しがっていた男の子をあげること。
だから「うちには女の子がもう2人います。神さまは女の子はほしくはないですか」
と自分を身代わりにして捧げ、願いを叶えようとするのだ。

祈りの条件その3<身を清める>
ローラは山の上で、神さまを知っているというジョナサンという男に出会う。
ジョナサンはローラに食事を与え、川で身を清めるように言う。
「耳の中まできれいにするんだ」と。

祈りの条件その4<名を名乗る>
ジョナサンはローラに木で作った十字架を持たせる。
十字架にはローラの名前が刻まれている。

祈りの条件その5<神さまに気づいてもらう>
山の上でジョナサンは焚火をする。
登っていく煙で、神さまがローラに気づいてくれるように。

 

祈るひと

〇神さまの近くへ行く
〇捧げものをする
〇身を清める
〇名を名乗る
〇神さまに気づいてもらう

これ、思ったのだけど、世界共通の<祈りの作法>なんじゃないだろうか。

神社やお寺に行き、手水を遣って身を清め、鈴を鳴らして神さまに来ましたと知らせ
お賽銭をする。そして自分の名を名乗ってから、祈り始める。
夏に護摩祈祷を受けてきたときも、この要素がすべて含まれていた。

「大草原の小さな家」に出てくる人びとは、西部開拓時代のアメリカの敬虔なキリスト教徒だ。
キリスト教やほかの宗教、海外の国々に、神社にお参りするときのような作法や、
特別な祈りをするときの儀式のようなものがどのくらいあるのか、私は知らない。

でも、これまでに見聞きしたことのある海外の<祈り>には、この5つの要素が
ほぼ間違いなく含まれていたように思う。

祈りの作法

 

ただ強く祈り、叶えたい願いがあるとき、それを叶える手立てとして考えられたであろう
祈りの<作法>。地球の反対側でも同じようにとらえられていたと知ると、
それはもう、人間の「叡智」といっていいもののように思えてくるのだ。

世界中のあちこちで、人々はさまざまな形で祈りを続けている。
でも、それらの祈りの形はどこか根底でつながっていると思うと、
少し心が凪いでいくような気がしないだろうか。

果たしてローラの祈りは神さまに届いたのか。
これは、ぜひ本編で見てもらいたいなと思う。
(今ならBS4Kか、動画でも探せるかも)

 

 

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